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【VALORANT】銃声データを用いたオニファントム、リコンファントムの人気の要因分析

目次

導入:オニファントム、リコンファントムはなぜ当てやすいのか?

はじめに

こんにちは、家系です。今回はVALORANTの武器の一つ「ファントム」に関する分析です。

ファントムの人気スキンといえばオニファントムやリコンファントムを挙げる人が多くいます。VALORANTにおいて人気スキンはそのスキンを使った時の弾の当てやすさによって決まることが多く、弾の当てやすさを決める主な要因として「銃声の違い」があります。

ヴァンダルの場合だとデフォルトスキンの銃声とは明らかに異なるRGXやガイアズ・ヴェンジェンスなどが人気であることは過去の分析でもわかっていますが、ファントムにおいての人気スキンであるオニファントム、リコンファントムはデフォルトスキンの銃声と大差がなく、銃声は同じだと言う人もいるほどに酷似しています。

これらのスキンの銃声は非常に似ているにもかかわらずなぜ当てやすいと感じるのかは個々人が様々な見解を持ちながらも明確な理由はいまだにわかっていません。

そこで今回は「なぜオニファントムやリコンファントムは銃声がデフォルトスキンと似ているのに当てやすいのか?」というテーマについて分析を行ってみます。

使用したデータ

この分析ではファントムの各スキンにおける銃弾発射時の周波数とその強度(レベル・dB)のデータセットを使用します。

スキンは人気スキンであるオニファントム、リコンファントム、そして比較対象としてデフォルトスキンを対象としており、単発射撃時、2発射撃時、3発射撃時、フルオート射撃時(13発射撃時)のデータに対して分析を行います。

データはすべてVALORANTのインゲーム内で取得しておりZETA DIVISION所属のJUNiORさんがXで投稿していた銃声の録音方法を参考に同様の方法で取得しています。

分析:周波数データを使ったファントム人気スキンの分析

分析方法

今回は各スキンの周波数とレベルを比較してその違いを分析します。また各スキンの差分をとることでどの周波数で顕著に差が現れるか分析します。

分析結果

単発射撃時

各スキンの単発射撃時の周波数ごとのレベルをプロットすると以下のようになります。

各スキンの周波数プロット(単発射撃時)

さらにデフォルトスキンに対するオニ、リコンの差分をプロットすると以下のようになります。

デフォルトスキンに対するオニ、リコンの差分プロット(単発射撃時)

そしてオニとリコンの差分をプロットすると以下のようになります。

オニ、リコンの差分プロット(単発射撃時)

この結果からわかることまとめると以下のようになります。

わかること
  • 0-17000Hz付近まで3つのスキンに大きな差はないが、18000Hz付近では差がありデフォルトが最も値が大きい。
  • デフォルトスキンに対してはオニよりリコンの方が差が大きい。
  • オニとリコンの間では18000Hz付近はオニの方が値が大きいが22000Hz付近はリコンの方が大きい。

2発射撃時

単発射撃時と同様に3つグラフを作成すると以下のようになります。

各スキンの周波数プロット(2発射撃時)
デフォルトスキンに対するオニ、リコンの差分プロット(2発射撃時)
オニ、リコンの差分プロット(2発射撃時)
わかること
  • 単発射撃時と比べて差分は小さい。
  • 18000Hz付近ではオニが最も値が大きい、22000Hz付近ではリコンが最も値が大きい。
  • デフォルトスキンに対する差の最大値はオニの方が大きい。
  • デフォルトスキンに対するオニとリコンの差は正負が逆になる傾向にある。

3発射撃時

単発射撃時と同様に3つグラフを作成すると以下のようになります。

各スキンの周波数プロット(3発射撃時)
デフォルトスキンに対するオニ、リコンの差分プロット(3発射撃時)
オニ、リコンの差分プロット(3発射撃時)
わかること
  • 単発射撃時、2発射撃時よりさらに差分は小さい。
  • 22000Hz付近ではリコンが最も値が大きい。
  • デフォルトスキンに対してオニは差分が少なくなっているが、リコンは22000Hz付近での差が残っている。

フルオート射撃時(13発射撃時)

単発射撃時と同様に3つグラフを作成すると以下のようになります。

各スキンの周波数プロット(13発射撃時)
デフォルトスキンに対するオニ、リコンの差分プロット(13発射撃時)
オニ、リコンの差分プロット(13発射撃時)
わかること
  • 18000Hz, 22000Hz付近でオニの最も値が大きい。
  • デフォルトスキンに対してリコンの差分がほとんど0に近い、一方でオニは単発~3発射撃時より差分が大きい。

考察:周波数データの分析結果から考える3つのスキンの”違い”

3つのスキンの差は初弾によくあらわれる

今回の分析結果では初弾での差が最も大きくあらわれています。

このことからデフォルトスキンとオニ・リコンで当てやすさに差があるのは初弾の銃声に差があるためだと考えられます。

2発目がオニファントムとリコンファントムの好みの差につながる

今回のデータからは2発目の結果でデフォルトに対するオニ、リコンの銃声に逆の特徴がみられました。

このことからオニファントムとリコンファントムの好みの差には2発目の銃声が関係していることが考えられます。

リコンファントムは3点バースト向き

3発射撃時はオニファントムでは差分が小さい一方でリコンファントムでは大きな差分が現れることがわかりました。

このことからリコンファントムは3発射撃時の銃声の差が当てやすさにつながると考えることができます。3点バースト撃ちを多用する人にとってはリコンファントムが当てやすいと感じる傾向にあると考えることができます。

オニファントムはフルオート向き

リコンファントムは発射数が多くなるにつれて音がデフォルトスキンに近づいていく一方で、オニファントムはフルオート射撃時にデフォルトスキンとは大きく異なることがわかりました。

このことからオニファントムはフルオート射撃時の銃声の差が当てやすさにつながると考えることができ、フルオート射撃をよく使用する人にとってはオニファントムが当てやすいと感じる傾向にあると考えることができます。

結論:ファントム人気スキンの銃声をデータ分析して分かった当てやすいと感じる要因

この記事のまとめ

ここまでで行った分析結果、考察をまとめると以下のようになります。

この記事のまとめ(オニファントムとリコンファントムはなぜ当てやすいか)
  • オニファントムとリコンファントムはデフォルトスキンとは似て非なる銃声を持つ。
  • 特に初弾の差は大きく、初弾の音の差がオニ、リコンの当てやすさの違いに影響している。
  • オニとリコンでは2発目の特徴が異なり、2つのスキンの好みの差は2発目の銃声が影響している。
  • リコンファントムは3発目の銃声がデフォルト、オニと比べて特徴的で3点バーストをよく使う人の好みに影響を与えている。
  • オニファントムはフルオート射撃の銃声がデフォルト、リコンと比べて特徴的でフルオート射撃をよく使う人の好みに影響を与えている。

コラム:キルサウンドは当てやすさに含まれるのか?

今回の分析を始めるにあたって「キルサウンドは弾の当てやすさに影響するのか?」を考えることがありました。結論としては(本記事を最後まで読んでいただけた方ならお分かりだと思いますが)影響しないとして今回の分析対象から外しています。

キルサウンドが発生するタイミングはキルが発生する=弾が相手にヒットするのと同時または直後です。よって少なくとも1キル目には影響を与えていないはずです。

2キル目以降はキルサウンドが影響を与えている可能性 は否定できませんが「デフォルトスキンよりオニ・リコンの方が2キル目以降当てやすいと感じる」という特定のケースにおける疑問は少ないように見受けられます。

そのため今回はキル数にこだわらない分析を行うためキルサウンドは対象外としています。

さいごに

今回は銃声が非常に似ているデフォルトファントムとオニファントム、リコンファントムの3つのスキンに対してデータで見たときの細かな違いを分析しました。結果として射撃弾数によって各スキンの特徴は異なり、そのことが好みにつながる可能性があることを明らかにしました。

個人的にはオニファントムのフルオート射撃は他と比べて当てやすいと感じていたのでイメージと合致する結果を得ることができたと感じています。今回の分析結果をみて皆様の意見を是非お聞かせください。また今回の分析以外にも「こんな分析テーマがみたい」「こんなことが気になっている」というものがありましたらXのDMやリプライでお聞かせいただけると嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • 今回の測定のような波形測定の場合、測定精度はどれぐらいになるでしょうか。
    これだけ僅かな違いの銃声データをわざわざriotが用意するのか個人的に少々懐疑的に思う部分がありまして、例えば同スキンに対して複数回測定した際に今回有意差と見たような波形差分が生じるのかどうか もし既に検証されていたらお伺いしたいです。

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